サッカーワールドカップ(W杯)出場国紹介!【モロッコ】
2018/09/21
ロシアワールドカップの出場国は32ヶ国。そのうち、アフリカ大陸から出場する国は5つ。
その一つが「モロッコ」です。5大会ぶり、5度目のW杯出場を果たしたモロッコというチームを今回はご紹介しましょう!
Contents
モロッコってどんな国?
引用:https://www.dososhin.com/know/country/MAR/
日本の人の中で「僕は(私は)モロッコの事を凄くよく知っていますよ!」と言い切れる人が何人いるでしょうか?日本人にとってはモロッコと聞くより、カサブランカと聞く方が何となく馴染が深いかもしれません。
アフリカ大陸からの出場なので、モロッコはアフリカの国って思うのは自然なことです。
ただ、モロッコはアフリカと言っても、アフリカ大陸の一番上(北?)の一番左端(ヨーロッパ側・イギリス側ですね)、もっと解りやすく言えばスペインのすぐ下の辺りです。
ヨーロッパから最も近いアフリカと言われ、ジブラル海峡を挟んでスペインの対岸にあるモロッコは、ですからスペイン、フランスを始め、ヨーロッパ人にとって非常に身近な感覚の異国ということになります。
近いのに異国の情緒を味わえるという意味では南のモロッコ、東のトルコと言った感じですね。
モロッコのサッカーは?
引用:http://www.soccerdigestweb.com/news/detail/id=32426
では、モロッコのサッカーってどんなサッカーなのでしょう?「そもそも、モロッコってサッカーやっているの?」と思う人だっているかもしれません。
私たちには馴染みがないですからね。
そんな知らない国のこと、知らない国の人たちのこと、そして知らない国のサッカーを知ることができるのも4年に一度開催されるワールドカップの魅力の一つと言えますが、「モロッコ」=「馴染のない国」=「サッカーも強くない」という図式でイメージしていいのでしょうか?もしモロッコと日本が対戦するとしたら・・・?
私たちは「モロッコ?そんな国、聞いたこともないし、有名クラブだってないでしょ?日本代表だったらまず勝てるじゃない?」と、決めつけてしまいかねません。
ただ、私たちに馴染みがないからと言って、それが直ぐに「日本代表よりも弱い」なんて言い切れるのでしょうか?
確かに、モロッコにはスペインやドイツやイタリアのような有名クラブはないし、そもそもモロッコでプレーする日本人選手ってたぶんこれからもいないだろうし。
しかし、よくよく調べてみると「モロッコのサッカー」は、そんなイメージとはまったく違う姿であることが解ってきました。
モロッコのサッカー熱は非常に高く、それはアフリカの中でも特にヨーロッパから一目置かれるほどで、2013年にはクラブワールドカップが開催され、自国開催国枠で出場した「ラジャ・カサブランカ」が、バイエルン・ミュンヘンに次いで準優勝を飾っています。
また、2017年に東京で行われたクラブワールドカップでは浦和レッズが「ウィダード・カサブランカ」に敗れたことも記憶に新しいですよね。
つまり・・・モロッコは日本よりもよほどサッカー熱は盛んで、日本よりも強いと思ったほうがいい・・・と言ってもおかしくない。
モロッコのサッカーはそれぐらいレベルが高いと思った方がよいでしょうね。
では、具体的にモロッコのサッカーってどんなサッカーなのでしょうか?そんなモロッコのサッカーを少し見ていきましょう。
アフリカ予選の結果
引用:https://www.jiji.com/jc/d4?p=wct117-jpp025459167&d=d4_ftee
モロッコは今までにワールドカップ(W杯)には4回出場している(今回が5回目)と冒頭でご紹介しました。
過去の出場は1970年、1986年、1994年、1998年です。
今回出場する選手の中には前回出場したときには生まれていない選手もいます。
そして2002年のW杯から(このW杯は、日本・韓国共催の初のアジア開催のW杯でした)2014年のブラジル大会まで4大会連続で出場を逃していました。
いつも出場に立ちはだかるアフリカの列強。
それは、ナイジェリアであったり最近ではコートジボワールであったり。
そんなモロッコが2018年ロシアワールドカップ(W杯)に出場するために戦ったアフリカ3次予選(つまり最終予選ですね)の相手は、コートジボワール、ガボン、そしてマリでした。
4ヶ国で出場できる国は1つだけです。
コートジボワールはW杯出場の常連国、ガボンもマリも決して弱小国ではなく、マリも曲者で、決してコートジボワールだけをマークしていればよいというような「楽な組み合わせ」ではありませんでした。
で、モロッコは最終予選の最後の戦い、最終戦であるコートジボワールのアウェー戦を2-0で勝利し、見事W杯出場の切符を掴んだのですが・・・。
その内容が素晴らしいのです。
4ヶ国対抗のH&Aなので最終予選の試合数は6試合。その全部の試合を「0封」で終え、相手を抑え込んだのです。
これだけでもモロッコ代表サッカーのレベルの高さが解りますね。
決して偶然やラッキーで彼らはこの大会の切符をつかんだのではなく、しっかりとした実力の上に立ってその出場権を掴み獲ったのです。
モロッコのサッカーって?
引用:ttps://www.soccer-king.jp/news/world/world_other/20161114/515116.html
「6試合連続で0封に抑えました・・・それは素晴らしい・・・それじゃ、モロッコのサッカーは、守りは強固、でも攻めが物足りない、いわゆる弱い国の典型のようなサッカーをするの?」という質問が飛んできそうですね。
モロッコサッカーの正体は?モロッコってどんなサッカーを仕掛けてくるのでしょう?どんなメンバーがいて、どんなサッカーが得意なのでしょうか?
監督はフランス人、そして超ハンサム!?
引用:http://www.afpbb.com/articles/-/3022079?cx_position=10
まずは監督から。
今回のモロッコ代表チームを率いる監督はフランス人である「エルベ・ルナール」。
2016年に就任しています。
大会が始まればおそらくその容姿が評判になりそうな、そんな“超ハンサム監督”として知られるルメールですが、その手腕もなかなかのものです。
ルメールの監督キャリアは母国フランスのクラブを皮切りに、代表監督としてはアンゴラ、ザンビア、コートジボワールを率いていて、「アフリカサッカーに精通しているフランス人監督」として、ときどきあの「フィリップ・トルシェ」と比べられたりします。
彼が標榜するサッカーは、いわゆるモダン・サッカーです。
堅守をベースに、洗練されたパスワークを使いながら、アタックする際には素早く、質の高い、効率の良い攻撃を仕掛けます。
「アフリカのサッカーは、身体能力は高いけれども組織的に穴がある」と言われていたのはかなり以前の話で、モロッコも、ルナールのような野心溢れる才能を持つ監督の指揮の元でかなり近代的なサッカーを仕掛けてきます。
今回のモロッコワールドカップ出場を決めた対戦相手、コートジボワール代表でもルナールは指揮を執っていたわけで、コートジボワールの国民は今回の結果を複雑な気持ちで受け入れたことでしょうね。
モロッコのメンバー
引用:http://football-uniform.seesaa.net/article/50415934.html
ロシアワールドカップ出場に向けて、モロッコが予選で戦った内容やメンバーを振り返って、彼らの特徴を探ってみましょう。
まず、目につくのは選手の所属クラブです。
この予選に招集され、エントリーされた選手の所属クラブは以下のとおり(順不同)。
イタリア ●ユベントス ●ジェノア ●ベネベント
スペイン ●レアル・マドリー ●マラガ ●レガネス ●ヘタフェ ●ベティス ●ジローナ
ドイツ ●シャルケ
オランダ ●アヤックス ●フェイエノールト
イングランド ●サウザンプトン ●ハダースフィールド
トルコ ●ガラタサライ ●フェネルバフチェ
ギリシャ ●オリンピアコス
そうそうたるクラブ名がズラリと並んでいます。
モロッコは、ヨーロッパの各国のクラブに所属している選手ばかりで代表チームが組まれています。
自国のクラブの選手は一人もいません。
そのクラブも、ユベントス、レアル・マドリー、アヤックス、ガラタサライやフェネルバフチェ、オリンピアコスとリーグの優勝候補に挙げられるクラブ名が並んでいます。
ロシアワールドカップの開幕時には長友のチームメイトとなる選手もモロッコ代表に名を連ねていることでしょう。
サッカーのスタイル
モロッコ代表の得意系、スタイルを振り返ります。
まずは、堅守の中心に位置するのがベナティア。ユベントス所属の重鎮DFで、ローマ、バイエルン・ミュンヘンとプレーした歴戦の強者です。
「クラブでレギュラーを獲れない状況では代表の試合に出る資格はない」という、彼自身の発言とともに代表入りが不安視されていますが、本大会で彼の存在なしにはモロッコのディフェンスは成り立ちません。
そのベナティアとコンビを組む大型DFのサイス、そしてSBのディラールに長身FWのブタイブまでが戻ってラインを組むので、セットプレーからの失点が驚くほど少ないのが特徴です。
加えて、守護神であるGKのモハマディもその守備範囲は広く、また直接FKへの反応も滅法強いので、サイドからのクロスや高いボールを放り込む単純な攻撃で失点をするようなチームではありません。
そんな堅守で奪ったボールを、アンカーのエル・アーマディーに当てて、司令塔のユーネス・ベルハンダが組み立てます。
チャンスメイクはムバラク・ブスファ。
サイドアタックの仕掛け人でもあり、アタッキング・サードを切り刻む動きは、厄介なパスの受け手でもあるので、マークする選手は本当に気が休まらない、そんな存在です。
最前線は長身FWのカリブ・ブダイブ。
最終予選のガボン戦でハットトリックを決めて一気にエースへと昇りつめた感があります。
また、クラブW杯に出場してその存在感が光った23歳のアシェラフ・ベンシェルキ、サウザンプトン所属の24歳ソフィアンヌ・ブファル、そしてシャルケ所属の20歳のアミンヌ・アリートもワールドカップ(W杯)で、「ひと暴れ」を虎視眈々と狙っているわけで、モロッコと対戦する相手は、90分間、常に神経を使う、そんなモロッコサッカーです。
注目の選手は?
引用:https://www.soccer-king.jp/news/world/esp/20170811/625463.html
未知の魅力、若い魅力が満載のモロッコのサッカー。
その中でも最も注目を集めるであろう選手が、レアル・マドリーでモロッコ人として初のトップチームでプレーすることとなったサイドバックのアクラフ・ハキミです。
レアル・マドリーのサイドバックと言えば、左がマルセロ、右がカニバハルというレギュラーがその地位をしっかりと固めていますが、その牙城に迫ろうとしているのがこのハキミ。
しかもその年齢が19歳というのが驚きです。
クラブでは右サイドでの出場が多いのですが、代表では左を担当して、そのポテンシャルの高さを証明しています。
ボール奪取の能力、縦への突破力、スタミナなどは既にトップクラスと言えます。
後は少し精度が落ちるクロスの正確さを上げることができれば、モロッコにとってとても大きな武器となるでしょう。
是非チェックしておきたい選手です。
W杯の対戦相手
引用:https://www.soccer-king.jp/news/world/wc/20170911/636830.html
モロッコはグループリーグB組に入りました。
対戦する相手は、ポット1のポルトガル、ポット2のスペイン、そしてポット4でアジア代表のイラン、この3つの国です。
つまりモロッコはポット3に入っていたわけで、決して「参加賞」狙いの国ではないというのがここでも伺えしることができます。
因みに初戦がイラン、次がポルトガル、そして最後がスペインという順番です。
W杯を8倍楽しむ方法
引用:https://qetic.jp/life-fashion/adidas-telstar/272490/
ロシアワールドカップのグループリーグは全部で8つあります。
日本はグループHですから、開幕してから日本が登場するまでには少し間が空きますね。
そんな中でW杯を楽しむ方法を一つご紹介しましょう。
それは「どこでもいいからそのグループの当事者になる」というもの。
もちろんグループHは日本中心に物事を考えますよね?初戦にもし負けたら?いや、引き分けだったら次の試合をどう戦う?それよりも別の2つの国の対戦結果が次の対戦に影響することも充分考えられるし、得失点差はどうなっているかな?・・・というような、星取りの予想ですね(正確には勝ち点獲りの予想になりますが)。
グループBは、下馬評では2強2弱と言われています。
2強はポルトガルとスペイン、2弱がモロッコとイランです。
ただ、試合の順序が非常に微妙な感じで、モロッコはイランと、ポルトガルはスペインと初戦を戦います。
もし、モロッコがイランに勝って(その可能性は非常に高いでしょう)、ポルトガルがスペインに負けて、次の第2戦を迎えることになったら?立場はどうなるでしょう?
ポルトガルはこの試合で負ければ敗退が決定するという、非常に大きなプレッシャーを背負って戦うこととなります。
負ければ敗退決定のポルトガルと、引き分けでも充分のモロッコ。
猛攻を仕掛けるポルトガルは、堅守のモロッコに手を焼けばかなり窮地に追い込まれるでしょう。
引き分けでもかなり苦しくなるポルトガルは、モロッコ相手にいろいろな要素が絡み合う複雑な試合状況となるはずです。
逆に、ポルトガルが初戦でスペインに勝って、このモロッコと対戦することになればどうなるでしょうか?ポルトガルは引き分けでも充分となり、猛攻を仕掛けるモチベーションはそれほど強くなくなるでしょう。
イランに勝って勝ち点3を得たモロッコがポルトガルと引き分けることが出来れば、最終戦のスペイン戦に臨むモチベーションは最高潮に達するはずです。
このように、各グループである国の当時者となって、その結果の行方に一喜一憂するのは非常に楽しいもので、ワールドカップを8倍楽しむ、とても有効な方法です。
モロッコが入ったグループBをポルトガルの立場で見るのもいいですし、スペインの立場で見るのもいいでしょうが、この堅守速攻のスタイルを持ったモロッコの立場で味わうと言うのは非常にスリリングでサッカーの醍醐味を味わえる楽しみ方だと思います。
あなたもモロッコ人になって、グループBを戦ってみませんか?